平成19年4月21日(土)〜26日(木)

AM11:00〜PM7:00 (4月22日(日)4月4日(水)は〜PM5:30)

銀座たくみ2階にて


一輪差(大塚)、四角壷(島岡)、マグカップ(和田)

フリーカップ(和田)、蓋物(大塚)、湯呑(島岡)


左から島岡龍太、大塚茂夫、和田安雄

益子焼三人展によせて                      大塚茂夫

  益子は、東京より北東約100kmの所に在り、人口約二万人の小さな町です。 主な産業は農業。 米、煙草などが産物で、近年はイチゴの生産も盛んなようです。 自然に恵まれた地で、赤松、山百合が町のシンボルになっています。 
  次に、焼物、陶器の産地でもあります。散歩の折などに、畑のあぜなどで縄文土器、時に須恵器の陶片を見つけることがあります。 焼物の歴史は古い所なのです。焼物としての浮き沈み、多くの変遷があったことと思います。
近世になり、瓶、すり鉢、行平、土瓶、紅鉢などの台所用品を作る窯がおこりました。江戸、近県にたくさんの物が出荷され隆盛を見ることもあったようです。
  大正13年、濱田庄司氏が益子に入られ、益子の風土を思わせる柿釉、黒釉、糠釉、並白釉などを駆使し、骨太な造形の深い民芸陶器を制作されました。 濱田氏のもとには佐久間藤太郎氏、島岡達三氏、合田好道氏、加守田章二氏など多くの優れた作家が集まり、個性のある作品が生み出されました。
  私達は益子参考館や陶器店でそれらの方の作品を見ることができ、多くの刺激を受けることができます。
力強い作品であったり、モダンな作品であったり、内面的な物であったり、静かさを思わせる物であったりと、いろいろな感覚が湧き起こります。
  今回の益子三人展の和田安雄、島岡龍太、大塚茂夫、それぞれが多くの先達の影響を受け作陶をしております。
和田安雄は刷毛目、赤絵。島岡龍太は象嵌。大塚茂夫は糠釉などを主に、それぞれがそれぞれの仕事をしています。先達に一歩でも近づければ.....新しい時代に合う作品を作りたいと仕事をしています。きっと益子焼の歴史の中に小さな足跡を残せることを願って......。


手付鉢(大塚茂夫)

色絵皿(和田安雄)

象嵌皿(島岡龍太)