島岡達三 師弟展の息の長さ、新しさ


  昭和56年に島岡先生の師弟展がスタートしてから、今年は23年目になる。

第1回は、当時30代、気鋭の弟子 土屋典康、松崎健両氏と先生との三人展であった。

59年の第2回展には、これにご子息の龍太さんと黒田泰蔵さんが加わって賑やかな会となった。
61年の第3回展は五十嵐俊樹、それにドイツから来たセバスチャン・シャイトが加わって国際色を添えた。

  第4回展(63年)にはさらに新しいメンバーが加わった。 宮嶋正行、リチャード・バリンジャーの二人の弟子に、陶工ではないが島岡先生を師と仰ぐ木漆工芸の松崎融である。
先生は案内状にこう書かれた。「今年は、また新しいメンバーが加わった。宮嶋も融も、それぞれ茂木に住まいと工房を建てて我々の仲間となった。志を同じくする者がふえるのはうれしい。」
  
  師弟展も回を重ねると、先生も来客も出品者のヴァラエティを楽しまれるようになった。

平成5年の第5回展は、新卒の弟子明賀孝和のほか、賛助出品として一門の筆谷等(版画)、筆谷淑子(ガラス)や松崎融(木漆工)も参加、さらに島岡窯の職方や内弟子の大塚光昭、神谷正一、神谷福二、羽石三郎、浜田英峰らが顔をそろえ、名実ともに島岡一門師弟展となった。 案内状に先生は、十七人の会、と記された。

  その後の第6回、第7回、第8回、第9回、第10回と隔年の会は、毎年12人前後のメンバーで、この間の新人としては福田るい、川上眞悟、前山幸弘、岡田崇人の皆さんであった。

  そして今回の第11回展には、今春卒業展をたくみで催した筆谷桂(島岡先生の孫)が晴れて参加することになる。

  こうしてみると島岡窯での5年から6年にかけての修業が、若者たちにとっての良き学校であり、師弟展が新しい門出としての登竜門であることがわかる。

  島岡先生にとっても二年に一度の師弟展は、各地で制作に励む弟子たちのその後の研鑚と成長の姿を見届ける、またとない場であり楽しみなひと時なのだと思う。
私たちもまた、共に師弟展を楽しみたい。

                                   たくみ 志賀直邦